千石 ウナギ整骨院のお知らせ

【考え方】「働く」と「稼ぐ」を切り離す

「会社から出るお給料では生活がきつい!」

と嘆く人の話をよく聞きます。整骨院ではお仕事を終えてオフの状態になった人とお会いすることが多く,割と愚痴の類をお話しいただくのですが,特に多いのがこのお給料問題。増税のタイミングだし,支出が増えるのに収入が増えないのは不安でしょう。私もこれについては思うことがないわけではないので割とノリノリで話します。

 別に隠すようなことではないので構わないのですが,私はこの仕事をしていて会社から頂いているお給料は手取りで20万ちょっとです。金額だけ見れば大卒の初任給みたいなものだし,業界的にも相場を大幅に下回る。経験的にも今までで最も多い仕事量で最も安い賃金です。ですが,今まで一番面白そうに仕事をしているような気がします。ギリギリですが,お金はどうにか足りていますし。これ以上減ったらさすがに困りますが。

 この話をすると,給料問題で嘆く患者さんからは驚かれます。なぜ続けられるのかと。こんなのは簡単な理由で,根本的な勘違いをしないようにしているからです。

 例外もありますが,多くの会社はできたら0円で多くの有能な人材を使い潰したい。ですがそれだと人を使役できないし,近年はいとも簡単にブラック企業のレッテルを貼られる。だから最低賃金なるものに従い,しぶしぶお金を出して人を呼ぶ。元々がしぶしぶだから,そこに「従業員を過不足なく食わせていく」なんて気概はありません。だって要は法律に引っかからない程度で極力安く使いたい,他は全て会社の(自分の?)金にしていきたいのですから。
 その中にいる従業員が「会社に食わせてもらおう!」と思って仕事にかかると,見解の相違が起きる。そりゃそうです。従業員が会社のために働くという契約はあれど,会社が従業員の生活を豊かにするという契約はありませんから。
「会社に食わせてもらえる」という勘違いを捨てちゃえば,雇い主に下手な期待をしなくなります。期待をしていないから愚痴も起きなくなります。その方がずっと豊かです。それに,どれだけお金をくれるかも大切ですが,どんな仕事をさせてくれるかで雇い主さんを見れば考え方も増えます。

 確かに私は現在社会人になって以来最も経済的に窮した状態にあります。しかし仕事への興味は社会人になって以来最も高く,働くってこういうことなんだなぁと実感しています。それは何事にも代えがたいもの。院ひとつまるごと預かって治療の内容も全部自分で決めて提供するなんて自力ではできないことですからね。あまり足りない足りない言うとバチが当たりそうです。

 では,経済的に豊かな生活を諦めたのかというととんでもない。仕事が楽しいからって経済的に壊滅状態なのに変わりはありません。ならサブウェポンで補填できるようになれば良いのです。人生,使ってよい武器は一つだなんて決まりはありません。私で言えば,この柔道整復師の資格は今の会社と契約した金額で貸し出していますが,まだ教職だってillustratorスキルだって残っており,これを使って現に他でちまちま仕事をさせてもらっています。

 まだまだそれだけで生活ができるほど発展はしていないので現状,整骨院での仕事で食わせてもらっているのが現状なワケですが,いつかはどうにかなりそうな気がするところまで持っていけたらと思いあれこれやっています。むろん,院の仕事をしている時間以外になるのでなかなか進捗は良くないのですが…

 それがアフィリエイトだって内職だって株だって仮想通貨だって,なんなら馬でも舟でも銀球でもいいんです。単純にお金を増やす可能性がある方法ならいくらでも転がっているようです。やらない人の多くが言うのは,どれもリスクはつきものでうかつに飛び込めば大失敗するじゃないかということです。確かにその通りです。ですがそれは通常の仕事だって似たようなものでしょう。ついていく人を間違えれば,人生のうちの貴重な数年を無駄にすることになります。程度は違えど不安定なのはどちらも同じです。

「働く」ならそこに価値を見出せることを選び,「稼ぐ」なら十分な勉強と準備を行えるものを選ぶ。それがたまたま同じものだった場合はそれはそれで良いと思いますが,固執するのはもったいないことのようにも思います。

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