千石 ウナギ整骨院のお知らせ
6月の花嫁とブライダル戦略
整骨院の運営をしている者としては,雨は厄介なお客さんです。あまり足繁く来てほしくないものです。来患(来てくれる患者さん,の略)が増えにくくなるからです。ざっくりとした集計ですが,当院は自転車を利用していらっしゃる患者さんが約3分の1をしめており,多少の雨ならまだしも今日のような風も強く多少ではない雨が降った場合はお会いできなくなります。一つ前の記事にも書いた通り,それを押して来てくれる患者さんは超VIP扱いになります。差別?違います。雨の日サービスです。
ジューンブライド(6月の花嫁)という言葉があり,6月に結婚をしようとお考えになる方がたくさんいらっしゃるそうです。私も今月3件の結婚式を片付けr…祝うことになっています。未婚者の僻みというわけではありませんが,もう少しバラケてくれないかしら。ご祝儀がかさんで念願のバイクが遠のくではないか。3組とも2千円札15枚で対応してやろうと目論んでいます。あ,もちろんお祝いしたい気持ちで一杯ですよ!新たな船出を渾身のギャグで見送りたいと思います。敬礼。
それはいいとして,このジューンブライドはもとはといえば西洋の考え方です。幾つか説がありますが,どれも割と信憑性があります。
一つは,西洋の風習と気候です。昔ヨーロッパでは3月から5月にかけて農作業に勤しむため,一段落ついた6月に挙式をしやすくなる。また良い天気が続くのもあってさらに選ばれやすいというものです。綺麗に着飾る記念すべき日,そりゃあ,晴れている方がよろしいでしょう。日本とは気候事情が違い,6月はよく晴れるそうです。
また,ペンテコステが6月にあることも理由にあがります。キリスト教では,十字架に掛かって死んだキリストは3日目に復活します。これがイースターです。で,その後しばらく弟子たちと過ごすのですが,単に生き返ったのではなく,また天に昇るわけです。で,その10日後にキリストの信徒たちに聖霊が降った。これを記念したのが聖霊降臨祭(ペンテコステ)です。聖霊が何なのかは…話がそれるのでこの辺で。
私が一番気に入っているのが,ギリシャ神話に出てくるゼウスの妃のヘラにちなんだものという説です。ギリシャ神話の神さまたちはそれぞれ〇〇の守護神といわれ担当が振り分けられているのですが,このヘラというのは既婚女性の守護神で結婚と出産をつかさどっているのだそうです。ギリシャ神話では「ヘラ」ですが,神話がローマに持ち込まれてローマ神話として成立したときヘラと同じような仕事をする神さまは「ユノ」とされたそうです。このユノ,英語にするとJunoとなり,これが6月を表すJuneの素になった。だから守護神ユノ様の守ってもらえるように6月に結婚するってわけです。それならもし離婚してもユノ様の仕事が雑だったせいだと丸投げできますし。
と,西洋では結婚を含む祝賀行事と6月は関りが持たれやすいようです。これに目をつけたのが日本のブライダル業界。日本で6月は高温多湿。とにかくジメジメして過ごしにくく,結婚式を挙げる人が少なく悩んでいたそうです。そこでこのジューンブライドを広告文句として打ち出し,顧客の獲得に乗り出し成功したわけです。
ジューンブライド然り,バレンタインのチョコ然り,土用の丑の日然り,民衆はまんまと商売のテクニックに引っかかっているというわけです。もっとも祝福されるべきは花嫁などではなく,閑散期を繁忙期に転じる広告戦略を成功させた誰かさんかもしれません。