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千石 ウナギ整骨院のお知らせ

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【作文】教わらないけど課題は出される

今年もこの時期が来ました・・・

夏の読書感想文!!

数年前に小学生のお子さんを持つ同窓生から
「子どもの作文見てやってくれない?」
というフリをうっかり受けてしまったのが始まりで,

今や毎年3人くらいのお子さんの感想文を
見させてもらうようになりました。

もう国語の先生は辞めてしまったから…
という理由でお代は一切頂かないようにしているのもあり,
お手頃なのかもしれません。




中高生のとき,よく疑問に思っていました。
学校での教育は基本的に,
「教える」→「やらせる」→「評価する」
という順序の繰り返しだと思うのですが,

体育の授業での「走る」ということにおいて,
私は教わった記憶がありません。
とにかく足が遅かった(いや今でも遅い)私は,
遅いことを咎められることはあっても速く走る方法は教われませんでした。

こういうことを言うと
「なら質問しなさい」と脳筋な返しがくることも多々あるでしょうが,
球技や武道でも同じこと言ってみろという話です。

笛吹くだけの人だとすら思っていました。




そんな私も大人の年齢になり,
24歳で初めて教壇に立ちました。

国語科共通の課題として
全員に作文の宿題を出すことになり,

テーマだけを伝えて
「最低でも3枚くらいは書いておいで」
と言って次の話に移ろうとしたとき,

前から3番目の男子生徒に
「国語の先生って,作文教えないよね」
と言われました。

愕然としました。
『こいつは…あの時の私だ…』

ここで「まず書いてみてから質問しなさい」などと
答えたら即座に教師など辞めるべきな気がしました。




10年後,まさか整骨院に自前のホワイトボード入れて
作文のお手伝いをするようになるとは思いませんでした。
人生,何があるかわかったものではありません。




得意…というわけではありませんが,
私が気に入って毎回やるのは「最後まで本の内容には直接触れない感想文」です。

あくまでも読んだ子が得たものがメインなので,
深入りするべきは本ではなく読者の心です。

とことん掘り下げます。で,思ったことを書き出してもらいます。
時間がかかるのはここだけ。

頭に浮かんだことをそのまま紙に書きだす。つまり
言葉選びや内容の良し悪し,内面を出す恥ずかしさなど
中高生になって育ってくる理性のフィルターを取り除きます。

なかなか根気がいりますが,
これさえ越えれば,あとはちょっとしたアシストで
どんどん書き進められます。

数多ある理論なんか,内面を出すことを恥ずかしがる人が
照れ隠しに作ったメッキです。

最後にちょっと使うのが良いんです。
盛り付けた後にちょっと足すパセリのような扱いで良いんです。




中学生でも高校生でも,まずはハードルを下げる,むしろ倒しちゃってあげれば
作文嫌いなお子さんでも筆が少しだけ軽くなるかもしれません。


さて,今年は何冊読むことになるかな,楽しみだな。笑

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