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千石 ウナギ整骨院のお知らせ

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【就活】選ばれるより選びたい

 ピシッとしたリクルートスーツに身を固めた若々しい学生さんが就職面接に挑む姿をよく目にします。それを見てふと思い出します。私にもそんな時が…あ…あれ?…ない…ないですね。そう,私はちゃんとした就活をやってきていません。遅く来た反抗期っていうんですかね。なんかこう,いかにもフレッシュマン!みたいな感じが嫌いだったのです。今でもあまり好きではありません。着ていたスーツは塾講師のアルバイトで着ていたものの使いまわし。チョークの粉が袖に残っていました。そのくせ,リクナビとか使って面接先は探すんだから支離滅裂もいいところです。 
 
 もう時効でしょうから,そんな私がやってきたトンチンカンな就活をお話してみようと思います。なかなかうまくいかないなぁと思っている方の励みになれば幸いです。
 

 初めての就活は神奈川に拠点を構える学習塾運営の会社でした。一応教員志望だったので,お勉強関係のお仕事に注目していたわけです。面接は5回くらいありました。質問されることはほとんどなく,設定された時間の中で自分で考えてきたテーマでただスピーチをするだけ。回によって10分だったり3分だったり,事前に時間は電話で言われるので準備をすることはできるのですが,スーツすらマトモに着ない私はアマノジャクにもその場に立つまで一切考えず,思い付きで喋っていました。不真面目すぎる…。ですが,なぜか次へ次へと進んでいき,はじめの会社で最終の社長面接までこぎつけます。
 
 さすがに少しは準備をすべきでしたが,最終は会話でのジャッジということで準備のしようがないなーなどと思い,多少の緊張をお供に面接会場へ。社長が来るなり「んー,今流行ってるのはお笑い系かジャニーズ系じゃん。男は女性ファンがつかないと売り物にならないんだよね。君はどちらでもない。ごめんね。」からはじまる容姿批判を5分ほど。
 顔は(多分)真面目でしたが心ではなかなかの暴風雨でした。まぁ,身長が低いからと女性にフラレまくっている経験のおかげで悲しくはならないのですが,単純に思うのが「最後の最後で出てきたボスが一番つまらない人だったな」。こうなると私がすべきことは最後の「言いたいことはあるかい?」でトンデモナイ球を投げることのみ。案の定聞かれる。「というわけで不採用だけど,言いたいことはあるかい?」よしきた。「自分の無価値さにほとほと愛想が尽きました。帰りの横浜線に飛び込む未来しか見えません。」さぁ,そのつまらない頭でどう返す?しかしかわされる。「いや,君はそんなことしない。それを言った君の目はなかなかギラついていた。はじめからその目で来て欲しかったな。」
 
 どうやらつまらなかったのは私の方だったようで,この社長は私が就活を始めたばかりであることを見抜き,エンジンをかけさせてくれたのかもしれません。その後,不採用が決まった上で数分間お話する時間が設けられたのですが,それはもうマンツーマンで稽古をつけられているような画だったと思います。それ以来会うことはありませんでしたが,あまりに貴重な不採用でした。
 
 その後の就活で,最終まで残らなかったものはありませんでした。そして最終で不採用になる度に,いろいろな社長から多くを学ばせてもらいました。就活って,選ばれようとするのではなく選ぼうとする気持ちでやれば面白いものなのかもしれません。もちろん,業界にもよるし,会社の大小もあります。挑む会社によってはお祈り通知の山を築いた可能性もあります。


 それから10年少々過ぎ,教員やってた時期をすっ飛ばして今の柔道整復師としての就活の話になります。
 はじめに行ったのは埼玉の方の霞が関にある接骨院でした。座って面接するのは面倒だからと社長さんの移動に合わせて車の中での面接となりました。実に珍しい。顔を見ないで行う形式。なので顔も覚えていません。早く決めてしまいたい場面ではありましたが就活は御機嫌取りでやるものではないので,聞くべきことは聞いておこうとしました。「要項には残業有りとありましたが,どのくらいでしょうか。もしよければ,残業代の有無も教えていただきたいのですが」「終わるまでは残ってもらうんじゃないかな。残業代なんかないよ。この業界のことをもう少し勉強しないと。」…残念。思考停止&開き直りってやつだ。かつて神奈川の社長に教えてもらった精神が10年ぶりに活性化。「他も見ましたからそれは勉強済みです。お聞きしたかったのは,スタッフを想い,一般的にはブラックと揶揄される働き方を変えようとしている会社なのかどうかです。」
 …これはダメでした。以前はハタチかそこらの若造が60代のベテランに噛みつく形だから大丈夫だったのであって,今回のはただの暴言です。当然不採用でした。
 
 で,次に受けたのがウナギです。ここの社長,つまり当グループの総院長は今までの面接とはまた異なっており,失礼承知で言ってしまえば「おもしろそうな人」だと思いました。(本人に読まれてたらどうしよう。)
 細かい文言は少し相違あるかもしれませんが,「スタッフの人生を豊かにする。」「ウチに来ればこういう未来を用意する。」といったことを明確に示されており,とにかく話がわかりやすかった。あと,スタッフを採ろうという意思が感じられました。就活する側にとって,これ大事なんですよね。採る気がない人との面接は退屈です。何度頭の中で人事部のおじさんの顔に落書きしたことか。
 とりあえず,選択は悪くなかったんじゃないかなと思っています。条件とかはさておき,やりがいのある仕事と精神的に豊かな日々は手に入りそうです。
 

 だいぶ端折った話でしたが,悪い例として私の不真面目な就活履歴をお話ししてみました。就活なんかこんなものだと肩の力を抜いてもらえたらいいなと思います。形式的には会社側が合否を出す役ですが,別に選ばれるかどうかにそんな重きを置くことはないんじゃないかと。そこにあるのは初めて会う人との会話ですから。それを楽しむ余裕を持ってみると,どんな仕事なのかイメージすらわかぬまま内定だけを求め入ってから「違った…」となる恐れも少なくなります。
 よい就活をしてください。応援しています。

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