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千石 ウナギ整骨院のお知らせ

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育児で手首が痛い!何が起きているのか?

 文京区は子育てに適した街づくりに力が注がれているようで,小さなお子さんをお連れのお母さん(お父さん)方を多く見かけますし,当院にはベビーカーと一緒にいらっしゃる患者さんが多いです。そんな方々からよくお聞きするのが『こどもがおとなしく眠ってくれている時間は短くたいていは抱えて過ごす。するとどうしても首や背中,腰に痛みが出ることがある。そして,今日は急に手首に痛みが走った。』といったものです。首から腰にかけての体幹はもちろん大事です。筋肉をほぐし歪みを除く治療をしていきます。今回はもう一つの問題,手首の痛みについて注目していきます。

 ひとえに手首の痛みと言っても,手のひら側,甲側,親指側,小指側,中心部,などと部分によってその症状や原因が異なってきますが,育児中によく起こるのは親指から手首にかけての激しい痛みです。主な原因として挙げられるものの一つが「使い過ぎ」です。育児中は日々重くなる赤ちゃんを支える他,数えたらキリがないほどの必要な作業があり,それに加えて家事もこなさなくてはならなくなり,手には過剰な負荷がかかります。その中でも特に可動域が大きく使用頻度が高い親指はしばしば腱鞘炎を起こすまでに至ります。

 ご説明の都合上一般的にあまり使われない語句を使いますので,ご自身の手を見ながらここをお読みいただきたいのですが…。手首の関節のことを「手関節」といい,手首のうちの小指側を「尺側(しゃくそく)」,親指側を「橈側(とうそく)」といいます。で,手関節を尺側に倒すことを「尺屈(しゃっくつ)」,橈側に倒すことを「橈屈(とうくつ)」といいます。今回テーマにしている『育児中に起こる親指から手首にかけての激しい痛み』は,「手関節を尺屈することで橈側に痛みが出る」ものがほとんどです。

 関節は必ず,そこを通る筋肉やその端にある腱が作用することで曲げ伸ばしができます。曲げられる関節を逆に伸ばすこともできるのは,その関節の両側に筋肉や腱があるからです。そうでないと,曲げたら曲げっぱなしで戻せなくなってしまいます。で,関節は一方に曲げると逆の組織が伸ばされることになります。指を曲げると甲の方にある指関節のシワが伸ばされるでしょう。皮膚だけでなく,その奥にある筋肉や腱にもおなじようなことが起きています。そうして伸ばされることで組織にはストレスがかかります(伸張ストレス)。のみならず,親指から腕にかけての筋肉は手首のくびれを通る際に伸筋支帯というリストバンドのような組織の下をくぐるのですが,筋肉を動かせば動かすほどこの伸筋支帯との擦れ(摩擦ストレス)が起きます。

 人の身体はちょっとやそっとのストレスでは痛みが起きないに出来ていますが,ちょっとやそっと以上のストレスを受ければ何かしらの問題が起きます。育児で親指にかかるストレスは,問題を起こすには十分なものだというわけです。

 文章にすると語句も多くちょっと面倒な言い回しになってしまいますが,ざっくり言うと育児での手の使われ方は親指から腕にかけての筋肉を伸ばしたり擦らせたりして負担が多く,そのせいで痛みが出てしまう。というわけです。この症状で当院にご来院の歳は,「これ痛み出ますか?」と確認する検査を3つほどやります。多くの場合は長母指外転筋と短母指伸筋の中で悪さが起きている「ド・ケルバン病」という症状が疑われます。そうでない場合もあるので手首が痛いだけで決めつけることはないのですが,使い過ぎで起きた症状は使用を控える,血行を良くして修復を促す,関係部位を施術するなどの手法を取ります。シップだけ貼ってどうにかなるものでもないので,こういった症状でお困りの場合はまず診せていただきたいと思います。

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